ブンゴウメール公式ブログ

青空文庫の作品を1ヶ月で読めるように毎日小分けでメール配信してくれるサービス「ブンゴウメール」のブログです

【ブンゴウメール】河童 (5/31)

(1415字。目安の読了時間:3分) のみならずバッグを追いかける時、突然どこへ行ったのか、見えな くなったことを思い出しました。しかも河童は皮膚の下によほど厚い脂肪を持っているとみえ、この 地下の国の温度は比較的低いのにもかかわらず、(平均華氏…

【ブンゴウメール】河童 (4/31)

(1393字。目安の読了時間:3分) 特別保護住民だった僕にだれも皆好奇心を持っていましたから、毎 日血圧を調べてもらいに、わざわざチャックを呼び寄せるゲエルと いう硝子(ガラス)会社の社長などもやはりこの部屋へ顔を出した ものです。しかし最初の半…

【ブンゴウメール】河童 (3/31)

(1449字。目安の読了時間:3分) 二 そのうちにやっと気がついてみると、僕は仰向けに倒れたまま、大 勢の河童にとり囲まれていました。のみならず太い嘴(くちばし)の上に鼻目金をかけた河童が一匹、 僕のそばへひざまずきながら、僕の胸へ聴診器を当てて…

【ブンゴウメール】河童 (2/31)

(1363字。目安の読了時間:3分) コオンド・ビイフの罐(かん)を切ったり、枯れ枝を集めて火をつ けたり、――そんなことをしているうちにかれこれ十分はたったで しょう。その間にどこまでも意地の悪い霧はいつかほのぼのと晴れかかりま した。僕はパンをか…

【ブンゴウメール】河童 (1/31)

(1403字。目安の読了時間:3分) 序 これはある精神病院の患者、――第二十三号がだれにでもしゃべる 話である。彼はもう三十を越しているであろう。が、一見したところはいかにも若々しい狂人である。彼の半生の経験は、――いや、そんなことはどうでもよい。…

【ブンゴウメール】夢十夜 (29/29)

(631字。目安の読了時間:2分) 庄太郎はやむをえずまた洋杖を振り上げた。豚はぐうと鳴いてまた真逆様に穴の底へ転げ込んだ。するとまた一匹あらわれた。この時庄太郎はふと気がついて、向うを見ると、遥(はるか)の青 草原の尽きる辺から幾万匹か数え切…

【ブンゴウメール】夢十夜 (28/29)

(678字。目安の読了時間:2分) 庄太郎は元来閑人の上に、すこぶる気作な男だから、ではお宅まで 持って参りましょうと云って、女といっしょに水菓子屋を出た。それぎり帰って来なかった。 いかな庄太郎でも、あんまり呑気過ぎる。只事じゃ無かろうと云って…