2018-08-17から1日間の記事一覧
(790字。目安の読了時間:2分) 高さが四十六間と申しますから、半丁の余で、八角型の頂上が、唐人の帽子みたいに、とんがっていて、ちょっと高台へ昇りさえすれば、東京中どこからでも、その赤いお化が見られたものです。 今も申す通り、明治二十八年の春…
(616字。目安の読了時間:2分) 私はもう、余りの恐ろしさに、椅子の中の暗闇で、堅く堅く身を縮めて、わきの下からは、冷い汗をタラタラ流しながら、思考力もなにも失って了って、ただもう、ボンヤリしていたことでございます。 その男を手始めに、その日…