2018-11-18から1日間の記事一覧
(504字。目安の読了時間:2分) 袁※(えんさん)は、しかし、供廻りの多勢なのを恃み、駅吏の言葉を斥けて、出発した。 残月の光をたよりに林中の草地を通って行った時、果して一匹の猛虎が叢(くさむら)の中から躍り出た。 虎は、あわや袁※(えんさん)に…
(482字。目安の読了時間:1分) 曾ての同輩は既に遥(はる)か高位に進み、彼が昔、鈍物として歯牙にもかけなかったその連中の下命を拝さねばならぬことが、往年の儁才李徴の自尊心を如何に傷けたかは、想像に難くない。 彼は怏々(おうおう)として楽しま…
(504字。目安の読了時間:2分) 隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。 いくばくもなく官を退いた後は、故山…
(482字。目安の読了時間:1分) しかも、これに気付いている者はほとんど無い。 今にして文字への盲目的崇拝を改めずんば、後に臍(ほぞ)を噬(か)むとも及ばぬであろう云々(うんぬん)。 文字の霊が、この讒謗者をただで置く訳が無い。 ナブ・アヘ・エ…