【ブンゴウメール】風琴と魚の町 (24/30)
(552字。目安の読了時間:2分)
私はだんだん学校へ行く事が厭(いや)になった。
学校に馴れると、子供達は、寄ってたかって私の事を「オイチニイの新馬鹿大将の娘じゃ」と、云った。
私はチャップリンの新馬鹿大将と、父の姿とは、似つかないものだと思っていた。
それ故、私は、いつか、父にその話をしようと思ったが、父は長い雨で腐り切っていた。
黄色い粟飯が続いた。
私は飯を食べるごとに、厩(うまや)を聯想しなければならなかった。
私は学校では、弁当を食べなかった。
弁当の時間は唱歌室にはいってオルガンを鳴らした。
私は、父の風琴の譜で、オルガンを上手に弾いた。
私は、言葉が乱暴なので、よく先生に叱られた。
先生は、三十を過ぎた太った女のひとであった。
いつも前髪の大きい庇(ひさし)から、雑巾のような毛束を覗かしていた。
「東京語をつかわねばなりませんよ」
それで、みんな、「うちはね」と云う美しい言葉を使い出した。
私は、それを時々失念して、「わしはね」と、云っては皆に嘲笑された。
学校へ行くと、見た事もない美しい花と、石版絵がたくさん見られて楽しみであったが、大勢の子供達は、いつまでたっても、私に対して、「新馬鹿大将」を止めなかった。
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