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【ブンゴウメール】風琴と魚の町 (24/30)

(552字。目安の読了時間:2分)  私はだんだん学校へ行く事が厭(いや)になった。 学校に馴れると、子供達は、寄ってたかって私の事を「オイチニイの新馬鹿大将の娘じゃ」と、云った。  私はチャップリンの新馬鹿大将と、父の姿とは、似つかないものだと思っていた。 それ故、私は、いつか、父にその話をしようと思ったが、父は長い雨で腐り切っていた。  黄色い粟飯が続いた。 私は飯を食べるごとに、厩(うまや)を聯想しなければならなかった。 私は学校では、弁当を食べなかった。 弁当の時間は唱歌室にはいってオルガンを鳴らした。 私は、父の風琴の譜で、オルガンを上手に弾いた。  私は、言葉が乱暴なので、よく先生に叱られた。 先生は、三十を過ぎた太った女のひとであった。 いつも前髪の大きい庇(ひさし)から、雑巾のような毛束を覗かしていた。 「東京語をつかわねばなりませんよ」  それで、みんな、「うちはね」と云う美しい言葉を使い出した。  私は、それを時々失念して、「わしはね」と、云っては皆に嘲笑された。 学校へ行くと、見た事もない美しい花と、石版絵がたくさん見られて楽しみであったが、大勢の子供達は、いつまでたっても、私に対して、「新馬鹿大将」を止めなかった。 ============================================== ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! https://goo.gl/6ZxJiY ■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp ■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404 ■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000291/files/1814_24391.html ■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail [PR] Facebookを使って、みんなに知られず婚活ができる神アプリ!毎月4000人以上に恋人ができている実績あり。まずは試してみて! ▼ ▽ ▼ https://goo.gl/kvdRBG ============================================== Unsubscribe *|HTML:EMAIL|* from this list: *|UNSUB|*