【ブンゴウメール】断食芸人 (1/31)
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この何十年かのあいだに、断食芸人たちに対する関心はひどく下落してしまった。
以前には一本立てでこの種の大きな興行を催すことがいいもうけになったのだが、今ではそんなことは不可能だ。
あのころは時代がちがっていたのだ。
あのころには町全体が断食芸人に夢中になった。
断食日から断食日へと見物人の数は増えていった。
だれもが少なくとも日に一度は断食芸人を見ようとした。
興行の終りごろには予約の見物人たちがいて、何日ものあいだ小さな格子檻の前に坐りつづけていた。
夜間にも観覧が行われ、効果を高めるためにたいまつの光で照らされた。
晴れた日には檻が戸外へ運び出される。
すると、断食芸人を見せる相手はとくに子供たちだった。
大人たちにとってはしばしばなぐさみにすぎず[#「なぐさみにすぎず」は底本では「なぐさみにすぎす」]、ただ流行だというので見るだけだが、子供たちはびっくりして口を開けたまま、安全のためにたがいに手を取り合って断食芸人の様子をながめるのだった。
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