【ブンゴウメール】断食芸人 (12/31)
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まるで、天に向って、ここのわらの上にいる天の創造物、このあわれむべき殉難者をどうか見て下さい、とさそうかのようだ。
たしかに断食芸人は殉難者ではあったが、ただまったく別な意味でなのだ。
それから興行主は断食芸人の細い胴を抱く。
その場合、誇張した慎重さで、自分は今こわれやすいようなものを扱わなければならないのだ、と見る人に信じさせようとする。
それから彼は――こっそり芸人の身体を少しゆするので、芸人は足と上体とを支えることができないため、あちこちとゆれる――そのあいだに死人のように顔が蒼ざめてしまったご婦人がたの手に芸人を渡す。
もう断食芸人はすべてを我慢していた。
頭は胸の上に垂れ下がり、まるで頭がころがっていき、胸の上でどうしてかわからないがとまっているかのようだった。
身体は空っぽになっていた。
両脚は自己保存の本能によって膝のところでぴったり合わさっていたが、地面をまるでほんとうの地面ではないというような様子でこするのだった。
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