【ブンゴウメール】断食芸人 (13/31)
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両脚は自己保存の本能によって膝のところでぴったり合わさっていたが、地面をまるでほんとうの地面ではないというような様子でこするのだった。
ほんとうの地面を両脚はまず最初に探しているのだった。
そして、身体全体の重みが、とはいってもごくわずかなものではあったが、二人のご婦人の一方にかかった。
その婦人は、助けを求め、あえぎながら――彼女はこの名誉な役目をこんな恐ろしいものとは考えていなかったのだ――まず首をできるだけのばして、少なくとも顔を断食芸人とふれないようにしようとしたが、これが彼女にはうまくいかず、運のいい同役の婦人が自分を助けにきてはくれないで、ふるえながら小さな骨の束のような断食芸人の手をおしいただくような恰好で運んでいくことで満足しているので、場内の熱狂した笑い声の下でわっと泣き出し、ずっと前から待ちかまえさせられていた小使と交代しなければならなかった。
つぎが食事であった。
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