【ブンゴウメール】断食芸人 (15/31)
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外見上ははなばなしく、世間からもてはやされながら、そうやって生きてきた。
だが、それにもかかわらずたいていはうち沈んだ気分のうちにいた。
そうした気分は、だれ一人としてそれをまじめに受け取ることを知らないために、いよいようち沈んでいった。
どうやって彼をなぐさめたらよいのだろうか。
彼にはどんな不満が残っていたのだろうか。
そして、ときに彼をあわれんで、君の悲哀はおそらく断食からきているのだ、と彼に向って説明しようとする者があると、とくに断食期間が進んでいる場合には、彼が怒りの発作でそれに答え、けもののように檻の格子をゆすってみんなをびっくりさせることが起こりかねないのだった。
ところが、こうした状態に対して興行主は一つの処罰の手段をもっていて、好んでそれを使った。
彼は集った観客の前で断食芸人のこうしたふるまいのわびをいって、満腹している人びとにはすぐにはわからないが、ただ断食によって生じる怒りっぽさというものだけによって断食芸人のこんなふるまいが無理からぬものと思っていただけるはずだ、などとみとめるのだ。
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