【ブンゴウメール】断食芸人 (20/31)
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むろん、それ相応にひかえ目な注文しかつけはしない。
それに、この特殊な場合にあっては、雇われたのは断食芸人その人ばかりではなく、彼の古くからの有名な名前もそうなのであり、実際、年をとっていくのに衰えないこの芸の特性を思うと、もはや技能の全盛期にはいない老朽の芸人が落ちついたサーカスの地位に逃げこもうとしているのだ、などとはけっしていえなかった。
それどころか、断食芸人は(まったく信じるに価することだったが)以前と同じように断食できる、と断言した。
そればかりでなく、もし自分の意志にまかせてくれるなら(そして、そのことはすぐに約束してくれたが)、今こそはじめて正当に人を驚かせるだろう、とさえ主張した。
とはいえ、この主張は、断食芸人が熱中のあまり容易に忘れてしまっていた時代の風潮というものを考えあわせてみるならば、サーカスの専門家たちのあいだではただ薄笑いを招くだけではあった。
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