【ブンゴウメール】月夜と眼鏡 (5/10)
(482字。目安の読了時間:1分)
窓の下の男が立っている足もとの地面には、白や、紅や、青や、いろいろの草花が、月の光を受けてくろずんで咲いて、香っていました。
おばあさんは、この眼鏡をかけてみました。
そして、あちらの目ざまし時計の数字や、暦の字などを読んでみましたが、一字、一字がはっきりとわかるのでした。
それは、ちょうど幾十年前の娘の時分には、おそらく、こんなになんでも、はっきりと目に映ったのであろうと、おばあさんに思われたほどです。
おばあさんは、大喜びでありました。
「あ、これをおくれ。」といって、さっそく、おばあさんは、この眼鏡を買いました。
おばあさんが、銭を渡すと、黒い眼鏡をかけた、ひげのある眼鏡売りの男は、立ち去ってしまいました。
男の姿が見えなくなったときには、草花だけが、やはりもとのように、夜の空気の中に香っていました。
おばあさんは、窓を閉めて、また、もとのところにすわりました。
こんどは楽々と針のめどに糸を通すことができました。
おばあさんは、眼鏡をかけたり、はずしたりしました。
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