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【ブンゴウメール】赤い蝋燭と人魚 (4/11)

(673字。目安の読了時間:2分)

私の分もよくお礼を申して来ておくれ」と、お爺さんは答えました。

 お婆さんは、とぼとぼと家を出かけました。

月のいい晩で、昼間のように外は明るかったのであります。

お宮へおまいりをして、お婆さんは山を降りて来ますと、石段の下に赤ん坊が泣いていました。

「可哀そうに捨児だが、誰がこんな処に捨てたのだろう。それにしても不思議なことは、おまいりの帰りに私の眼に止るというのは何かの縁だろう。このままに見捨て行っては神様の罰が当る。きっと神様が私達夫婦に子供のないのを知って、お授けになったのだから帰ってお爺さんと相談をして育てましょう」と、お婆さんは、心の中で言って、赤ん坊を取り上げると、

「おお可哀そうに、可哀そうに」と、言って、家へ抱いて帰りました。

 お爺さんは、お婆さんの帰るのを待っていますと、お婆さんが赤ん坊を抱いて帰って来ました。

そして一部始終をお婆さんはお爺さんに話ますと、

「それは、まさしく神様のお授け子だから、大事にして育てなければ罰が当る」と、お爺さんも申しました。

 二人は、その赤ん坊を育てることにしました。

その子は女の児であったのであります。

そして胴から下の方は、人間の姿でなく、魚の形をしていましたので、お爺さんも、お婆さんも、話に聞いている人魚にちがいないと思いました。

「これは、人間の子じゃあないが……」と、お爺さんは、赤ん坊を見て頭を傾けました。

「私もそう思います。しかし人間の子でなくても、なんというやさしい、可愛らしい顔の女の子でありましょう」と、お婆さんは言いました。

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