【ブンゴウメール】赤い蝋燭と人魚 (5/11)
(666字。目安の読了時間:2分)
しかし人間の子でなくても、なんというやさしい、可愛らしい顔の女の子でありましょう」と、お婆さんは言いました。
「いいとも何んでも構わない、神様のお授けなさった子供だから大事にして育てよう。きっと大きくなったら、怜悧(りこう)ないい子になるにちがいない」と、お爺さんも申しました。
その日から、二人は、その女の子を大事に育てました。
子供は、大きくなるにつれて黒眼勝な美しい、頭髪の色のツヤツヤとした、おとなしい怜悧な子となりました。
三
娘は、大きくなりましたけれど、姿が変っているので恥かしがって顔を出しませんでした。
けれど一目その娘を見た人は、みんなびっくりするような美しい器量でありましたから、中にはどうかしてその娘を見ようと思って、蝋燭を買いに来た者もありました。
お爺さんや、お婆さんは、
「うちの娘は、内気で恥かしがりやだから、人様の前には出ないのです」と、言っていました。
奥の間でお爺さんは、せっせと蝋燭を造っていました。
娘は、自分の思い付きで、きっと絵を描いたら、みんなが喜んで蝋燭を買うだろうと思いましたから、そのことをお爺さんに話ますと、そんならお前の好きな絵をためしに書いて見るがいいと答えました。
娘は、赤い絵具で、白い蝋燭に、魚や、貝や、また海草のようなものを産れつき誰にも習ったのでないが上手に描きました。
お爺さんは、それを見るとびっくりいたしました。
誰でも、その絵を見ると、蝋燭がほしくなるように、その絵には、不思議な力と美しさとが籠っていたのであります。
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