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三十年後の東京(5/30) - ブンゴウメール

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(547字。目安の読了時間:2分)

この球を発見せられたる人は、この球が封印したるときより二十年以上たっていることをたしかめた後、この少年を冷凍球の中からとりだしていただきたい。

それはむずかしいことではない。

この底のBとしるした金属板を焼ききると、その中には電気のプラグがある。

そのプラグへ五十サイクル交流電気を百ボルトの電圧で供給すれば、四十八時間後には、自動的に球がひらいて、小杉正吉少年が出て来るであろう。

それまでの四十八時間は、静かにこの球をおく以外に何も手を加えてはならない。

昭和二十二年八月十三日

     *

 たいへんな拾い物だ。

この球の中には、少年が冷凍されているのだ。

二十年たったら、ふたたび世の中へ出て来たいのだという。

 二十年どころか、もう三十年もたっている、早く出してやらなくてはならない。

しかし人間を冷凍する技術が、今から三十年も前にすでに考えられていたとは、大した発見である。

と、登山者の一人であるカンノ博士はおどろいた。

 相談の結果、この大きな拾い物は、東京へ持ちかえることとなった。

 博士は、携帯無電機を使って、東京へ電話をかけた。

五トンぐらいのものがらくにもちあがるヘリコプター(竹とんぼ式飛行機)を一台至急ここまでまわしてくれるように、航空商会の千代田支店に頼んだ。

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