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外科室(7/29)

(312字。目安の読了時間:1分)

その顔色はいかにしけん、にわかに少しく変わりたり。
 さてはいかなる医学士も、驚破という場合に望みては、さすがに懸念のなからんやと、予は同情を表したりき。
 看護婦は医学士の旨を領してのち、かの腰元に立ち向かいて、
「もう、なんですから、あのことを、ちょっと、あなたから」
 腰元はその意を得て、手術台に擦り寄りつ、優に膝のあたりまで両手を下げて、しとやかに立礼し、
「夫人、ただいま、お薬を差し上げます。どうぞそれを、お聞きあそばして、いろはでも、数字でも、お算えあそばしますように」
 伯爵夫人は答なし。
 腰元は恐る恐る繰り返して、
「お聞き済みでございましょうか」

「ああ」とばかり答えたまう。

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