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イワンの馬鹿(3/61)

(531字。目安の読了時間:2分)

そこでやはり父親のところへ出かけて行き、
「私にも私の分け前を下さい。」
と言いました。
 しかし父親はタラスにも分けてやりたくなかったので、
「お前は、何一つ家へは持って来なかった。この家にあるものは、みんなイワンがかせぎ上げたのだから、どうしてあれや娘によくないことが出来よう。」
と言いました。
が、しかしタラスは言いました。
「イワンに何が入るものですか、あいつは馬鹿です、誰だって嫁に来るものはありません。またあのおしだって何にもいりはしませんよ。」
 そしてイワンに向って、
「おいイワン。おれに穀物を半分おくれよ。おれは道具なんか貰おうとは思わない。あの葦毛の馬を一匹貰おう。あれはお前の畑仕事にはちっと不向きのようだから。」
と言いました。
イワンは笑って、
「何でも入るだけ持って行くがいい。私はまたかせいで手に入れるよ。」
と言いました。
 そこでタラスにも分前だけやりました。
で、タラスは荷車で穀物を町へ運び、種馬をつれて行きました。
こうしてイワンはよぼよぼの牝馬を一匹だけ残され、以前通り百姓をして両親を養って行きました。
        二


 ところが、それを年よった悪魔が見ていました。

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