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断腸亭日乗(8/30)

(641字。目安の読了時間:2分)

円右、小さん、喜久太夫、山彦師匠、各得意の技をなす。
四月廿三日。
常磐木倶楽部にて梅吉弟子梅初名弘の会あり。
余野間翁と共に招がれ、梅之助の三味線、梅次上調子にて浦里を語る。
翁は得意の青海波を語る。
四月廿六日。
午後より雨ふる。
清元会なり。
四月廿七日。
晴又※。
花月第一号校正終了。
四月廿八日。
唖々子来訪。
杜鵑花満開。
四月晦日。
黄昏地震。
雨忽降来る。
風暖にして心地わろし。
五月朔。
※雨空濛たり。
五月二日。
花月校正手廻しのため新福に徃く。
五月三日。
西南の風烈しく遽に薄暑を催す。
冬の衣類を取片つけ袷を着る。
衣類のこと男の身一つにては不自由かぎりなく、季節の変目毎に衣を更るたび/\腹立しくなりて人を怨むことあり。
されど平常気随気儘の身を思返して聊か慰めとなす。
五月四日。
築地けいこの道すがら麹町通にて台湾生蕃人の一行を見る。
巡査らしき帯剣の役人七八名之を引率し我こそ文明人なれと高慢なる顔したり。
生蕃人の容貌日本の巡査に比すればいづれも温和にて※険ならず。
今の世には人喰ふものより遥に恐るべき人種あるを知らずや。
※下大石国手久振にて診察に来る。
実は米刃堂より依頼の用談を兼てなり。
昨日にもまさりて風烈しく黄昏に至り黒雲天を覆ひ驟雨屡来る。
蒸暑きこと甚し。
夜窗を開きて風を迎ふるに後庭頻に蛙の鳴くを聞く。
河骨を植えたる水瓶の中にて鳴くものの如し。

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