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断腸亭日乗(18/30)

(652字。目安の読了時間:2分)

新橋妓史をつくらむとて其資料を閲読す。
堀口氏詩集月光とピヱロの序を草す。
九月廿五日。
晴。
唖※子来訪。
夜座右の火鉢にて林檎を煮る。
電燈明滅すること数次なり。
九月廿六日。
晴。
葉※頭の種を摘む。
萩の花散りつくしぬ。
九月廿七日。
秋雨。
梅吉宅けいこの帰り、築地の桜木に立寄り、新富町の妓両三名を招ぎ哥沢節をさらふ。
九月廿九日。
暗雲天を蔽ひ雨屡来る。
終日門を出です。
執筆夜分に至る。
花月第六号発行。
十月一日。
築地けいこの帰り桜木に飲む。
新冨町の老妓両三名を招ぎ、新島原徃時の事を聞かむと思ひしが、さしたる話もなし。
一妓寿美子といへるもの年紀廿一二。
容姿人を悩殺す。
秋霖霏々として歇まざるを幸ひにして遂に一宿す。
十月二日。
雨歇む。
久しく見ざりし築地の朝景色に興を催し、漫歩木挽町を過ぎて家に帰る。
※時唖々子来談。
十月三日。
鳥辺山けいこ漸く進む。
桜木に立寄り、全集第二巻の校正をなし、妓寿美子を招ぎ晩餐を倶にし薄暮家に帰る。
禾原先生渡洋日誌を写して夜半に至る。
花月第七号誌上に掲載せんがためなり。
十月四日。
微雨。
夜松莚子を訪ふ。
十月五日。
半陰半晴。
午前梅吉方にて稽古をなし、午後常磐木倶楽部諏訪商店浮世絵陳列会に赴き、唖※子の来るを待ち東仲通を歩み、古着問屋丸八にて帯地を購ふ。
浅利河岸を歩み築地に出で桜木に至りて飲む。
唖々子暴飲泥酔例によつて例の如し。

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