2018-08-06から1日間の記事一覧
(677字。目安の読了時間:2分) それから、小駅を二三通過する間、私達はお互の隅に坐ったまま、遠くから、時々視線をまじえては、気まずく外方を向くことを、繰返していた。 外は全く暗闇になっていた。 窓ガラスに顔を押しつけて覗いて見ても、時たま沖の…
(650字。目安の読了時間:2分) 併し、不幸な私は、何れの恵みにも浴することが出来ず、哀れな、一家具職人の子として、親譲りの仕事によって、其日其日の暮しを、立てて行く外はないのでございました。 私の専門は、様々の椅子を作ることでありました。 私…