ブンゴウメール公式ブログ

青空文庫の作品を1ヶ月で読めるように毎日小分けでメール配信してくれるサービス「ブンゴウメール」のブログです

【初めての方へ】ブンゴウメールについて

ブンゴウメールとは?? ブンゴウメールとは、青空文庫の作品を小分けにして、毎朝メールで配信。 気づいたら毎月1冊本が読めてしまう、忙しいあなたのための読書サポートサービスです。 bungomail.notsobad.jp

【ブンゴウメール】高瀬舟 (19/28)

(333字。目安の読了時間:1分) 「いろいろの事を聞くようだが、お前が今度島へやられるのは、人をあやめたからだという事だ。おれについでにそのわけを話して聞せてくれぬか。」 喜助はひどく恐れ入った様子で、「かしこまりました」と言って、小声で話し…

【ブンゴウメール】高瀬舟 (18/28)

(353字。目安の読了時間:1分) 庄兵衛は今さらのように驚異の目をみはって喜助を見た。 この時庄兵衛は空を仰いでいる喜助の頭から毫光がさすように思った。 ―――――――――――――――― 庄兵衛は喜助の顔をまもりつつまた、「喜助さん」と呼びかけた。 今度は「さん…

【ブンゴウメール】高瀬舟 (17/28)

(363字。目安の読了時間:1分) しかしそれはうそである。 よしや自分が一人者であったとしても、どうも喜助のような心持ちにはなられそうにない。 この根底はもっと深いところにあるようだと、庄兵衛は思った。 庄兵衛はただ漠然と、人の一生というような…

【ブンゴウメール】高瀬舟 (16/28)

(335字。目安の読了時間:1分) 自分の扶持米で立ててゆく暮らしは、おりおり足らぬことがあるにしても、たいてい出納が合っている。 手いっぱいの生活である。 しかるにそこに満足を覚えたことはほとんどない。 常は幸いとも不幸とも感ぜずに過ごしている…

【ブンゴウメール】高瀬舟 (15/28)

(379字。目安の読了時間:1分) さて桁を違えて考えてみれば、鳥目二百文をでも、喜助がそれを貯蓄と見て喜んでいるのに無理はない。 その心持ちはこっちから察してやることができる。 しかしいかに桁を違えて考えてみても、不思議なのは喜助の欲のないこと…

【ブンゴウメール】高瀬舟 (14/28)

(445字。目安の読了時間:1分) 庄兵衛は五節句だと言っては、里方から物をもらい、子供の七五三の祝いだと言っては、里方から子供に衣類をもらうのでさえ、心苦しく思っているのだから、暮らしの穴をうめてもらったのに気がついては、いい顔はしない。 格…

【ブンゴウメール】高瀬舟 (13/28)

(399字。目安の読了時間:1分) 平生人には吝嗇(りんしょく)と言われるほどの、倹約な生活をしていて、衣類は自分が役目のために着るもののほか、寝巻しかこしらえぬくらいにしている。 しかし不幸な事には、妻をいい身代の商人の家から迎えた。 そこで女…