ブンゴウメール公式ブログ

青空文庫の作品を1ヶ月で読めるように毎日小分けでメール配信してくれるサービス「ブンゴウメール」のブログです

イワンの馬鹿(18/61)

(494字。目安の読了時間:1分)

 タラスはイワンを見て言いました。
「おい、もう一度商売が出来るまでおれと家内を養ってくれ。」
「いいとも、いいとも。」
とイワンは言いました。
「よかったら、いつまでもいなさるがいい。」
 イワンは上着をぬいで、椅子に腰を下そうとしました。
するとタラスのおかみさんが言いました。
「私はこんな土百姓と一しょに御飯はいただけません。この汗の臭ったらがまんが出来ません。」
 そこで肥満のタラスは言いました。
「どうもお前の臭いはひどすぎる。外で飯を食ってくれないか。」
するとイワンは言いました。
「いいとも、いいとも。どのみち私は馬の世話をしなくちゃならん。飼葉を刈る時刻だからね。」
        五
 タラスの係の小悪魔も、その晩手が空いたので、約束どおりイワンの馬鹿を取っちめるために、仲間へ手をかすつもりでやって来ました。
彼は畑へ行ってさんざん仲間をさがしましたが、一人もいませんでした。
ただ一つの穴を見つけただけでした。
彼は今度は牧場へ行って沼地で小悪魔のしっぽ一つ見つけました。
そしてライ麦の刈あとでも、一つの穴を見つけました。

=========================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! 
http://bit.ly/2Tj8Zhl

■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv
■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.com
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000361/files/42941_15672.html
■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail
■月末まで一時的に配信を停止: https://forms.gle/d2gZZBtbeAEdXySW9

-------
配信元: ブンゴウメール編集部
NOT SO BAD, LLC.
Web: https://bungomail.com
配信停止:https://goo.gl/forms/kVz3fE9HdDq5iuA03