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イワンの馬鹿(32/61)

(528字。目安の読了時間:2分)

 ところが、ちょうどその頃、王様のお姫様が病気にかかりました。
王様は町々村々へおふれを出して、姫をなおした者には望み次第のほう美を与える、もしそのなおした者におよめさんがなかったら、姫をおよめさんにやるとつたえさせました。
このおふれはイワンの村にも廻って来ました。
 イワンの父親と母親は、イワンを呼んで言いました。
「お前王様のおふれを聞いたかね。お前の話と、どんな病気でもなおせる木の根っ子を持っているそうだが、これから一つ出かけてなおしてあげないかな。そうすりゃお前、これから一生幸福に暮せるわけだがね。」
「いいとも、いいとも。」
とイワンは言いました。
 そこでイワンは、出かける仕度をしました。
イワンの両親は、イワンに一番いい着物を着せました。
ところがイワンが戸口を出るとすぐ、手萎の乞食ばあさんに、出あいました。
「人の話で聞いて来たが、お前様は人の病気をなおしなさるそうだが、どうかこの手をなおしておくんなさい。わしゃ一人じゃ靴もはけないからな。」
とそのばあさんは言いました。
「いいとも、いいとも。」
とイワンは言いました。
そして、例の木の根っ子をくれてやって、それをのめとおばあさんに言いました。

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