【ブンゴウメール】走れメロス (23/31)
(361字。目安の読了時間:1分)
それが人間世界の定法ではなかったか。
ああ、何もかも、ばかばかしい。
私は、醜い裏切り者だ。
どうとも、勝手にするがよい。
やんぬる哉(かな)。
――四肢を投げ出して、うとうと、まどろんでしまった。
ふと耳に、潺々(せんせん)、水の流れる音が聞えた。
そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。
すぐ足もとで、水が流れているらしい。
よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々(こんこん)と、
その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。
水を両手で掬(すく)って、一くち飲んだ。
ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。
歩ける。
行こう。
肉体の疲労恢復(かいふく)と共に、わずかながら希望が生れた。
==============================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう!(
■Twitterでみんなの感想を見る:https://
■ブンゴウメール公式サイト:https://
■次に読みたい作品を教えてください!:http://
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.
[PR] Facebookを使って、
▼ ▽ ▼
https://goo.gl/kvdRBG