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【ブンゴウメール】文字禍 (2/15)

(533字。目安の読了時間:2分) 千に余るバビロンの俘囚はことごとく舌を抜いて殺され、その舌を集めたところ、小さな築山が出来たのは、誰知らぬ者のない事実である。 舌の無い死霊に、しゃべれる訳がない。 星占や羊肝卜で空しく探索した後、これはどうしても書物共あるいは文字共の話し声と考えるより外はなくなった。 ただ、文字の霊(というものが在るとして)とはいかなる性質をもつものか、それが皆目判らない。 アシュル・バニ・アパル大王は巨眼縮髪の老博士ナブ・アヘ・エリバを召して、この未知の精霊についての研究を命じたもうた。  その日以来、ナブ・アヘ・エリバ博士は、日ごと問題の図書館(それは、その後二百年にして地下に埋没し、更に二千三百年にして偶然発掘される運命をもつものであるが)に通って万巻の書に目をさらしつつ研鑽に耽(ふけ)った。 両河地方(メソポタミヤ)では埃及(エジプト)と違って紙草(パピルス)を産しない。 人々は、粘土の板に硬筆をもって複雑な楔形の符号を彫りつけておった。 書物は瓦であり、図書館は瀬戸物屋の倉庫に似ていた。 老博士の卓子(テーブル)(その脚には、本物の獅子の足が、爪さえそのままに使われている)の上には、毎日、累々たる瓦の山がうずたかく積まれた。 ============================================== 【お詫びとお知らせ】 昨日深夜に、ブンゴウメールで現在配信中の作品がまとめて配信されるという不具合が発生してしまいました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。。 本日から予定通り配信を再開いたしますが、昨日分を受け取れていない方もいらっしゃるため、先に2日の分を再送しております。 本日3日の分は、このあと7時頃にいつもどおり配信される予定です。 ご心配おかけしてすみません。またたくさんの励ましのメッセージもありがとうございました! まだまだ改善も続けていきますので、引き続きブンゴウメールをよろしくお願いします。 ============================================== ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! https://notsobad.us11.list-manage.com/track/click?u=c71a56a796830e0127965ec03&id=5d4b2da2ed&e=5976fb1576 ■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp ■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404 ■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/files/622_14497.html ■運営へのご支援はこちら: https://notsobad.us11.list-manage.com/track/click?u=c71a56a796830e0127965ec03&id=211acd3bb8&e=5976fb1576 ============================================== Unsubscribe tomomichi.onishi+test@gmail.com from this list: https://notsobad.us11.list-manage.com/unsubscribe?u=c71a56a796830e0127965ec03&id=bc4d3c9b63&e=5976fb1576&c=32bee69c3e