【ブンゴウメール】高瀬舟 (2/28)
(350字。目安の読了時間:1分)
高瀬舟に乗る罪人の過半は、いわゆる心得違いのために、思わぬ科を犯した人であった。
有りふれた例をあげてみれば、当時相対死と言った情死をはかって、相手の女を殺して、自分だけ生き残った男というような類である。
そういう罪人を載せて、入相の鐘の鳴るころにこぎ出された高瀬舟は、黒ずんだ京都の町の家々を両岸に見つつ、東へ走って、加茂川を横ぎって下るのであった。
この舟の中で、罪人とその親類の者とは夜どおし身の上を語り合う。
いつもいつも悔やんでも返らぬ繰り言である。
護送の役をする同心は、そばでそれを聞いて、罪人を出した親戚眷族の悲惨な境遇を細かに知ることができた。
所詮町奉行の白州で、表向きの口供を聞いたり、役所の机の上で、口書を読んだりする役人の夢にもうかがうことのできぬ境遇である。
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