桜の森の満開の下(16/30) - ブンゴウメール
ブンゴウメール
(637字。目安の読了時間:2分)
★
男と女とビッコの女は都に住みはじめました。
男は夜毎に女の命じる邸宅へ忍び入りました。
着物や宝石や装身具も持ちだしましたが、それのみが女の心を充たす物ではありませんでした。
女の何より欲しがるものは、その家に住む人の首でした。
彼等の家にはすでに何十の邸宅の首が集められていました。
部屋の四方の衝立に仕切られて首は並べられ、ある首はつるされ、男には首の数が多すぎてどれがどれやら分らなくとも、女は一々覚えており、すでに毛がぬけ、肉がくさり、白骨になっても、どこのたれということを覚えていました。
男やビッコの女が首の場所を変えると怒り、ここはどこの家族、ここは誰の家族とやかましく言いました。
女は毎日首遊びをしました。
首は家来をつれて散歩にでます。
首の家族へ別の首の家族が遊びに来ます。
首が恋をします。
女の首が男の首をふり、又、男の首が女の首をすてて女の首を泣かせることもありました。
姫君の首は大納言の首にだまされました。
大納言の首は月のない夜、姫君の首の恋する人の首のふりをして忍んで行って契りを結びます。
契りの後に姫君の首が気がつきます。
姫君の首は大納言の首を憎むことができず我が身のさだめの悲しさに泣いて、尼になるのでした。
すると大納言の首は尼寺へ行って、尼になった姫君の首を犯します。
姫君の首は死のうとしますが大納言のささやきに負けて尼寺を逃げて山科の里へかくれて大納言の首のかこい者となって髪の毛を生やします。
=========================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう!
■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv
■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.com
■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42618_21410.html
■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail
メール配信の停止はこちら:https://goo.gl/forms/kVz3fE9HdDq5iuA03
-------
配信元: ブンゴウメール編集部
NOT SO BAD, LLC.
Mail: info@notsobad.jp