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イワンの馬鹿(55/61)

(537字。目安の読了時間:2分)

ただ誰にでも金貨をくれます。世間じゃはじめのうちはあの人の欲しがるものをくれてやったが、金貨がたくさんになったので、今じゃ誰もあの人にくれてやるものがありません。どうしたもんでしょう、あのままじゃ餓え死んでしまいます。」
 イワンはじっと聞いていました。
そして、
「いいとも、いいとも。そりゃ、みんなで養ってやるがいい。牧羊者のように一軒一軒かわり番こに養ってやるがいい。」
 これより外に仕方がありませんでした。
年よった悪魔は、かわり番こに家々を廻って食事をさせてもらうようになりました。
 そのうちに番が来て、イワンの家へ行くことになったので年よった悪魔は御馳走になりにやって来ました。
すると、れいの唖の娘が食事の仕度をしているところでした。
 唖娘は今までに、たびたびなまけ者にだまされていました。
そんな者に限って、ろくすっぽ受持の仕事はしないで、誰よりも食事に早くやって来て、おまけに人の分まで平げてしまうのでした。
そこで娘は手を見て、なまけ者を見分けることにしました。
ごつごつした硬い手の人はすぐテイブルにつかせましたが、そうでない人は、食べ残しのものしかくれてやりませんでした。


 年よった悪魔はテイブルにつきました。

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