ブンゴウメール公式ブログ

青空文庫の作品を1ヶ月で読めるように毎日小分けでメール配信してくれるサービス「ブンゴウメール」のブログです

黒猫(17/30)

(355字。目安の読了時間:1分)

 疑いもなく、その動物に対する私の憎しみを増したのは、それを家へ連れてきた翌朝、それにもプルートォのように片眼がないということを発見したことであった。
けれども、この事がらのためにそれはますます妻にかわいがられるだけであった。
妻は、以前は私のりっぱな特徴であり、また多くのもっとも単純な、もっとも純粋な快楽の源であったあの慈悲ぶかい気持を、前にも言ったように、多分に持っていたのだ。
 しかし、私がこの猫を嫌えば嫌うほど、猫のほうはいよいよ私を好くようになってくるようだった。
私のあとをつけまわり、そのしつこさは読者に理解してもらうのが困難なくらいであった。
私が腰かけているときにはいつでも、椅子の下にうずくまったり、あるいは膝の上へ上がって、しきりにどこへでもいまいましくじゃれついたりした。

=========================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! 
http://bit.ly/2OoYjwI

■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv
■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.com
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000094/files/530_20932.html
■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail
■メール配信の停止はこちら: https://goo.gl/forms/kVz3fE9HdDq5iuA03

-------
配信元: ブンゴウメール編集部
NOT SO BAD, LLC.
Web: https://bungomail.com
Mail: info@notsobad.jp
配信停止:https://goo.gl/forms/kVz3fE9HdDq5iuA03