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断腸亭日乗(27/30)

(697字。目安の読了時間:2分)

両三日中に買宅の主人引越し来る由なるに、わが方にては築地二丁目の新宅いまだ明渡しの運びに至らず。
いろ/\手ちがひのため一時身を置く処もなき始末となれり。
此夜桜木にて櫓下の妓両三名を招ぎ、梅吉納会の下ざらひをなす。
十二月十日。
久米君より桜木方へ電話かゝりて、明十一日梅吉納会に語るべき明烏さらひたしとの事なり。
夕暮花月に赴き、主人および久米、猿之助等と、赤阪長谷川に至り、猿之助の三味線にて放歌夜半に及ぶ。
帰途花月主人の周旋にて土橋の竹家といふ旅館に投宿す。
心いさゝかおちつきたり。
十二月十一日。
午前旧宅に至り、残りの荷ごしらへをなし、正午旅館竹家に帰る。
雪俄に降出し寒気甚し。
炬燵を取寄せ一睡す。
夕刻自働車を倩ひ日本橋倶楽部清元梅吉おさめの会に赴き、猿之助三味線にて明がらすを語る。
中村吉右衛門時蔵は梅吉三味線にて三千歳を語る。
雪夜半に至りて歇む。
十二月十二日。
八重次見舞にとて旅亭に来る。
午後十寸見歌舟に招がれ、日本橋加賀屋にて薗八を語る。
宮川曼魚も亦来る。
木挽町田川にて高橋箒庵の夕霧を聴く。
十二月十三日。
築地桜木に宿す。
深更石川島造舩所失火。
十二月十四日。
久振にて鎧橋病院に徃き、大石国手の診察を乞ふ。
宿疾大によしといふ。
帰途巴家に立寄り早く旅宿に帰り直に眠る。
十二月十五日。
新冨座桔梗会連中見物の約あり。
晩食の後茶屋猿屋に徃く。
小山内吉井長田の諸氏、玄文社※員結城某等に逢ふ。
結城氏諸子を新橋の某亭に誘ふ。
余寒夜を恐れ辞して去る。
枕上石亭画談を読む。

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