ブンゴウメール公式ブログ

青空文庫の作品を1ヶ月で読めるように毎日小分けでメール配信してくれるサービス「ブンゴウメール」のブログです

おじいさんのランプ(3/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (426字。目安の読了時間:1分) 日ぐれに東一君は家へ帰って来た。 奥の居間のすみに、あのランプがおいてあった。 しかし、ランプのことを何かいうと、またおじいさんにがみがみいわれるかも知れないので、黙っていた。 夕御飯のあとの退屈…

おじいさんのランプ(2/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (457字。目安の読了時間:1分) こらこら、それはここへ持って来て、お前たちは外へ行って遊んで来い。外に行けば、電信柱でも何でも遊ぶものはいくらでもあるに」 こうして叱られると子供ははじめて、自分がよくない行いをしたことがわかる…

おじいさんのランプ(1/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (407字。目安の読了時間:1分) かくれんぼで、倉の隅にもぐりこんだ東一君がランプを持って出て来た。 それは珍らしい形のランプであった。 八十糎ぐらいの太い竹の筒が台になっていて、その上にちょっぴり火のともる部分がくっついている…

老妓抄(30/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (593字。目安の読了時間:2分) 遠慮のない相手に向って放つその声には自分が世話をしている青年の手前勝手を詰る激しい鋭さが、発声口から聴話器を握っている自分の手に伝わるまでに響いたが、彼女の心の中は不安な脅えがやや情緒的に醗酵…

老妓抄(29/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (621字。目安の読了時間:2分) 「おっかさんまた柚木さんが逃げ出してよ」 運動服を着た養女のみち子が、蔵の入口に立ってそう云った。 自分の感情はそっちのけに、養母が動揺するのを気味よしとする皮肉なところがあった。 「ゆんべもおと…

老妓抄(28/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (562字。目安の読了時間:2分) こういう自然の間に静思して考えを纏めようということなど、彼には今までについぞなかったことだ。 体のよいためか、ここへ来ると、新鮮な魚はうまく、潮を浴びることは快かった。 しきりに哄笑が内部から湧…

老妓抄(27/30) - ブンゴウメール

ブンゴウメール (593字。目安の読了時間:2分) それは彼女に出来なかったことを自分にさせようとしているのだ。 しかし、彼女が彼女に出来なくて自分にさせようとしていることなぞは、彼女とて自分とて、またいかに運の籤のよきものを抽いた人間とて、現実…