黒猫(7/30)
(372字。目安の読了時間:1分)
そしてジン酒におだてられた悪鬼以上の憎悪が体のあらゆる筋肉をぶるぶる震わせた。
私はチョッキのポケットからペンナイフを取り出し、それを開き、そのかわいそうな動物の咽喉をつかむと、悠々とその眼窩から片眼をえぐり取った。
この憎むべき凶行をしるしながら、私は面をあからめ、体がほてり、身ぶるいする。
朝になって理性が戻ってきたとき――一晩眠って前夜の乱行の毒気が消えてしまったとき――自分の犯した罪にたいしてなかば恐怖の、なかば悔恨の情を感じた。
が、それもせいぜい弱い曖昧な感情で、心まで動かされはしなかった。
私はふたたび無節制になって、間もなくその行為のすべての記憶を酒にまぎらしてしまった。
そのうちに猫はいくらかずつ回復してきた。
眼のなくなった眼窩はいかにも恐ろしい様子をしてはいたが、もう痛みは少しもないようだった。
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この憎むべき凶行をしるしながら、私は面をあからめ、体がほてり、身ぶるいする。
朝になって理性が戻ってきたとき――一晩眠って前夜の乱行の毒気が消えてしまったとき――自分の犯した罪にたいしてなかば恐怖の、なかば悔恨の情を感じた。
が、それもせいぜい弱い曖昧な感情で、心まで動かされはしなかった。
私はふたたび無節制になって、間もなくその行為のすべての記憶を酒にまぎらしてしまった。
そのうちに猫はいくらかずつ回復してきた。
眼のなくなった眼窩はいかにも恐ろしい様子をしてはいたが、もう痛みは少しもないようだった。
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