【ブンゴウメール】断食芸人 (9/31)
(420字。目安の読了時間:1分)
およそ四十日ぐらいのあいだは、経験からいうとだんだんと高まっていく宣伝によって一つの町の関心をいよいよそそることができたが、それからは観衆も受けつけなくなり、客の数がぐんと減るということがはっきりみとめられるのだった。
むろんこの点では町と田舎とではわずかなちがいはあったが、通常は四十日が最大期間であるという相場だった。
そこで四十日目には、花でまわりを飾られた檻の戸が開かれ、熱狂した観客が円形劇場を埋め、軍楽隊が演奏し、断食芸人に必要な検査を行うために二人の医師が檻のなかへ入る。
メガフォンによってその検査の結果が場内に知らされる。
最後に二人の若い婦人が、ほかならぬ自分たちがくじで選ばれたことをよろこびながらやってきて、断食芸人を檻から一、二段下へ手を引いて下ろそうとする。
そこには小さなテーブルの上に念入りに選ばれた病人食が用意されているのだ。
そして、この瞬間、断食芸人はいつでもさからおうとするのだった。
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