【ブンゴウメール】断食芸人 (10/31)
(411字。目安の読了時間:1分)
そして、この瞬間、断食芸人はいつでもさからおうとするのだった。
なるほど彼は自分の骨の出た両腕を自分のほうへかがんだご婦人がたの助けてくれようとしてさし出された手に進んでのせはするのだが、立ち上がろうとはしないのだ。
なぜ、まさに今、四十日後にやめるのか。
もっと長く、際限もなく長くもちこたえただろうに。
なぜ、まさに今、彼が最上の断食状態にあるところで、いや、まだけっして最上の断食状態にまでいっていないところでやめるのか。
なぜ人びとは、もっと断食するという名誉、ただあらゆる時代を通じての最大の断食芸人であるばかりでなく(まったく、彼はもう最大の断食芸人にちがいないのだ)、自分自身を限りないところまで超えるという名誉を、彼から奪おうとするのか。
断食する自分の能力にとって彼はどんな限界も感じていないのだった。
なぜ彼をこんなにも感嘆していると称するこの群集がこんなにわずかしか辛抱しないのか。
==============================================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! http://bit.ly/2R2326H
■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv
■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp
■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/001235/files/49864_41927.html
■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail
==============================================
Unsubscribe *|HTML:EMAIL|* from this list:
*|UNSUB|*