【ブンゴウメール】断食芸人 (11/31)
(420字。目安の読了時間:1分)
なぜ彼をこんなにも感嘆していると称するこの群集がこんなにわずかしか辛抱しないのか。
彼がこれ以上断食することに耐えるのなら、なぜ群集のほうでも耐えないのか。
彼は疲れてはいたが、わらのなかでちゃんと坐っていた。
今度はきちんと長いあいだ身体を起こし、食事のあるところへ行かなければならない。
食事は、ただ考えただけで胸がむかついてきたが、それを口に出すことは助けてくれているご婦人たちへの遠慮からやっとこらえた。
そして、見たところはひどく親切そうだが、ほんとうはひどく残酷なご婦人がたの眼を仰ぎ見て、弱い首の上でいよいよ重くなっている頭を振るのだった。
だが、それからはいつでも起こることが起こるだけだ。
興行主がやってきて、無言のまま――音楽が演説を不可能にしていた――両腕を断食芸人の頭上に上げる。
まるで、天に向って、ここのわらの上にいる天の創造物、このあわれむべき殉難者をどうか見て下さい、とさそうかのようだ。
==============================================
ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! http://bit.ly/2R2326H
■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv
■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp
■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404
■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/001235/files/49864_41927.html
■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail
==============================================
Unsubscribe *|HTML:EMAIL|* from this list:
*|UNSUB|*