【ブンゴウメール】断食芸人 (17/31)
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真実をこうしてねじまげる興行主のやりかたは、断食芸人がよく知っているものだったが、いつでもあらためて彼の元気をそぎ、あんまり度がすぎるものと思われた。
断食をあまりに早くうち切ることの結果なのが、今ここでは原因として述べられているわけだ! この愚劣さ、こうした愚劣さの世界と闘うことは、不可能だった。
彼はまだ何度でも格子のそばで興行主の話をむさぼるように聞いていたいのだが、写真が現われるといつでも格子から離れ、溜息をつきながらわらのなかへどうとくずれてしまう。
そして安心した観客はまた近づいてきて、彼をながめることができた。
こうした情景の目撃者たちは、一、二年あとになってそのことを振り返って考えると、しばしば自分がわからなくなるのだった。
というのは、そのあいだにあの前に述べた激変が起ったのだった。
それは、ほとんど突然起った。
いろいろと深いわけがあるのだろうが、そんなものを探し出す気にだれがなったろうか。
いずれにしろ、ある日のこと、ちやほやされていた断食芸人は自分が楽しみを求める群集から見捨てられたのを知った。
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