【ブンゴウメール】断食芸人 (19/31)
(408字。目安の読了時間:1分)
いつかは断食の全盛時代がふたたびくるだろう、ということは確実だったが、今生きている人びとにとってはそんなことはなんのなぐさめにもならなかった。
そこで、断食芸人は何をやったらいいのだろうか。
何千という観客の歓声に取り巻かれていた者が、けちな歳の市にかかる見世物小屋へ現われるわけにはいかない。
ほかの職業につくためには、断食芸人は年をとりすぎていただけでなく、何よりもまず断食にあまりにも熱狂的に没頭していた。
そこで彼は人生の比類ない同伴者であった興行主と別れ、ある大きなサーカスに雇われた。
自分の神経の過敏さを傷つけないため、彼は契約書の条項は全然見なかった。
いつでも員数の出入りが平均し、補充がついていく無数の人間や動物や道具類をもつ大きなサーカスは、だれをも、またどんなときにでも、使うことができる。
断食芸人もそうだ。
むろん、それ相応にひかえ目な注文しかつけはしない。
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