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絵のない絵本(58/59)

(771字。目安の読了時間:2分)

童話についても同様、『即興詩人』が出版されてから二、三カ月後にはじめて第一集が出、それから一八七五年八月四日に永眠するまでに百五、六十にも及ぶ多数の童話が書かれたのである。
『絵のない絵本』は、一八三九年から四〇年ごろを中心にアンデルセンの創作意欲の最も盛んなときに書かれたものである。
初めて本になったのは一八三九年十二月二十日で、(表紙の日付は一八四〇年となっている)そのときはわずかに二十夜を含むごく小さい本であった。
この二十夜のうち五編はすでに一八三六年に文学誌『イリス(虹の女神)』第二号上に発表されている。
たとえば同誌に掲載されている『フランス国の玉座の上の貧しい男の子』というのは第五夜の物語である。
一八四〇年にはさらに数夜が発表されたが、一八四四年の第二版においてようやく三十一夜を包括するにいたった。
第三十二夜と第三十三夜は一八四八年に初めて公にされたものである。
したがって一冊のまとまった本として現在のように三十三夜全部を含んだのは、一八五四年に発行された第三版が最初である。
初版から三版までに多くの歳月が流れているのは、この本がデンマークにおいてはあまり問題にされなかったためであろう。
つまり、この本も『即興詩人』の場合と同様、本国におけるよりもむしろドイツや英国などにおいて評判となったのである。
『絵のない絵本』はこのように小さいにもかかわらず、きわめて多彩な素材を含んでいる。
その大部分がアンデルセンみずからの体験や印象にもとづいていることはいうまでもない。
すなわち、第五夜は一八三三年のパリ滞在中の体験から、第六夜は一八三七年のスウェーデン旅行の印象をもととして書かれたものである。
十五夜リューネブルク、第二十五夜のフランクフルトには一八三三、四年に訪れている。

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