【ブンゴウメール】風琴と魚の町 (27/30)
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数え終ると、皮剥ぎと云う魚を指差して、「これも、えっとやろか」と云った。
「魚、わしゃ、何でも好きじゃんで」
「魚屋はええど、魚ばア食える」
男の子は、いつか、自分の家の船で釣りに連れて行ってやると云った。
私は胸に血がこみあげて来るように息苦しさを感じた。
学校へ翌る日行ってみたら、その子は五年生の組長であった。
10 誰の紹介であったか、父は、どれでも一瓶拾銭の化粧水を仕入れて来た。
青い瓶もあった。
紅い瓶も、黄いろい瓶も、みな美しい姿をしていた。
模様には、ライラックの花がついて、きつく振ると、瓶の底から、うどん粉のような雲があがった。
「まあ、美しか!」
「拾銭じゃ云うたら、娘達や買いたかろ」
「わしでも買いたか」
「生意気なこと云いよる」
父はこの化粧水を売るについて、この様な唄をどこからか習って来た。
一瓶つければ桜色
二瓶つければ雪の肌
諸君! 買いたまえ
買わなきゃ炭団となるばかし。
父は、この節に合せて、風琴を鳴らす事に、五日もかかってしまった。
「早よう売らな腐る云いよった」
「そぎゃん、ひどかもん売ってもよかろか?」
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