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【ブンゴウメール】風琴と魚の町 (27/30)

(561字。目安の読了時間:2分) 数え終ると、皮剥ぎと云う魚を指差して、「これも、えっとやろか」と云った。 「魚、わしゃ、何でも好きじゃんで」 「魚屋はええど、魚ばア食える」  男の子は、いつか、自分の家の船で釣りに連れて行ってやると云った。 私は胸に血がこみあげて来るように息苦しさを感じた。  学校へ翌る日行ってみたら、その子は五年生の組長であった。  10 誰の紹介であったか、父は、どれでも一瓶拾銭の化粧水を仕入れて来た。 青い瓶もあった。 紅い瓶も、黄いろい瓶も、みな美しい姿をしていた。 模様には、ライラックの花がついて、きつく振ると、瓶の底から、うどん粉のような雲があがった。 「まあ、美しか!」 「拾銭じゃ云うたら、娘達や買いたかろ」 「わしでも買いたか」 「生意気なこと云いよる」  父はこの化粧水を売るについて、この様な唄をどこからか習って来た。 一瓶つければ桜色 二瓶つければ雪の肌 諸君! 買いたまえ 買わなきゃ炭団となるばかし。  父は、この節に合せて、風琴を鳴らす事に、五日もかかってしまった。 「早よう売らな腐る云いよった」 「そぎゃん、ひどかもん売ってもよかろか?」 ============================================== ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! https://goo.gl/6ZxJiY ■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp ■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404 ■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/000291/files/1814_24391.html ■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail [PR] 今なら簡単に100円分のポイントがもらえるキャンペーン中!楽天公式アプリ ▼ ▽ ▼ https://goo.gl/sUtbi5 ============================================== Unsubscribe *|HTML:EMAIL|* from this list: *|UNSUB|*