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【ブンゴウメール】断食芸人 (3/31)

(474字。目安の読了時間:1分)  入れ変わる見物人のほかに、観客たちに選ばれた常任の見張りがいて、これが奇妙にもたいていは肉屋で、いつでも三人が同時に見張る。 彼らの役目は、断食芸人が何か人に気づかれないようなやりかたで食べものをとるようなことのないように、昼も夜も彼を見守るということだった。 だが、それはただ大衆を安心させるために取り入れられた形式にすぎなかった。 というのは、事情に通じた人びとは、断食芸人はどんなことがあっても、いくら強制されても、断食期間にはけっしてほんの少しでもものを食べなかった、ということをよく知っていた。 この術の名誉がそういうことを禁じていたのだ。 むろん、見張りがみなそういうことを理解しているわけではなかった。 ときどきは見張りをひどくいい加減にやるようなグループがあった。 彼らはわざと離れた片隅に坐り、そこでトランプ遊びにふけるのだった。 それは、彼らの考えによれば断食芸人が何かひそかに同意してある品物から取り出すことができるはずのちょっとした飲食物をとるのを見逃がしてやっていい、というつもりらしかった。 ============================================== ハッシュタグ「#ブンゴウメール」をつけて感想をつぶやこう! http://bit.ly/2R2326H ■Twitterでみんなの感想を見る:https://goo.gl/rgfoDv ■ブンゴウメール公式サイト:https://bungomail.notsobad.jp ■次に読みたい作品を教えてください!:http://blog.notsobad.jp/entry/2018/05/03/145404 ■青空文庫でこの作品を読む:https://www.aozora.gr.jp/cards/001235/files/49864_41927.html ■運営へのご支援はこちら: https://www.buymeacoffee.com/bungomail ============================================== Unsubscribe *|HTML:EMAIL|* from this list: *|UNSUB|*